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【セクマイ×地域〜「LGBTを知らないひとたち」と、一緒に。】
2012年11月11日 13:30-16:00
遠藤/こんにちは。
今日は忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
くるりん大阪を立ち上げた遠藤まめたと申します。
くるりん大阪のことを代表にお伺いします。
村木/雨の中、ありがとうございます。
代表の村木真紀と申します。どうぞよろしくお願いします。
このイベントを企画したきっかけは、まめたさんと湯浅誠さんの講演に行った時に、市民活動は広く社会を巻き込む「外交」が必要だという話を聞いたことです。
これはLGBTの活動に関しても言える事で、LGBTのことを、LGBTを知らない人たちにどう伝えていくか、考える必要があると思います。
そこで、いわゆる「外向け」の活動をしている人たちをお招きして、具体的にどんな風に活動しているのかを伺い、一緒に考えたいと思います。
今日は素晴らしいゲストが来ています。
この3人の方のお話を、大阪で聞くのは初めてではないでしょうか。
私も楽しみにしています。よろしくお願いします。
※参考:企画の背景
http://kururinosaka.blogspot.jp/2012/10/blog-post_31.html
http://kururinosaka.blogspot.jp/2012/10/2.html
遠藤/配布物の確認をします。(略)
自己紹介してないですか?遠藤まめたです。よろしくお願いします。
今日のイベントはAIBOという団体から助成を受けています。
今日のグラウンドルール、決まり事です。
休憩もなくタイトなスケジュールです。休憩は自由に取って下さい。
お手洗いは、入り組んでいてややこしいですが、障害者用のもありますのでご利用ください。
個人的なことについて、今日の来場者の中で話したくないことは話させなくて構いません。
参加者の話はここだけの話として、個人情報を守って下さい。今日のゲストが話す内容などブログなどで情報交換もしたいとは思いますが、ここだけの話のことは流さないでください。
今日は多くの人が参加しています。異なる価値観の人もいるので、違いを尊重しながら交流して下さい。
今回、メディアの取材が入った場合には、撮影はフロアの皆さんを撮影しません。すべてこちらの舞台側だけですのでご安心ください。
以上、主催者挨拶です。
早速ですが、ゲスト皆さんから、それぞれの活動紹介を15分ずつ、スライドと共にしてもらいます。その後、トークセッション、質疑応答です。
質疑応答の時間は20分です。なので、質問も少ししかできないかもしれないので、最後のアンケートに書いてください。
これからはゲストの話をお伺いします。
1人目、石崎杏理さん。
福岡近郊で講演なども行っておられます。2010年から交流会も行なっています。
もし、LGBTなど、使っている言葉がわからない場合は、3枚目のイラスト付きのものをご参照くださるか質問用紙に記入ください。
【セクマイ×地域〜「LGBTを知らないひとたち」と、一緒に。】
2012年11月11日 13:30-16:00
遠藤/こんにちは。
今日は忙しい中お集まりいただきありがとうございます。
くるりん大阪を立ち上げた遠藤まめたと申します。
くるりん大阪のことを代表にお伺いします。
村木/雨の中、ありがとうございます。
代表の村木真紀と申します。どうぞよろしくお願いします。
このイベントを企画したきっかけは、まめたさんと湯浅誠さんの講演に行った時に、市民活動は広く社会を巻き込む「外交」が必要だという話を聞いたことです。
これはLGBTの活動に関しても言える事で、LGBTのことを、LGBTを知らない人たちにどう伝えていくか、考える必要があると思います。
そこで、いわゆる「外向け」の活動をしている人たちをお招きして、具体的にどんな風に活動しているのかを伺い、一緒に考えたいと思います。
今日は素晴らしいゲストが来ています。
この3人の方のお話を、大阪で聞くのは初めてではないでしょうか。
私も楽しみにしています。よろしくお願いします。
※参考:企画の背景
http://kururinosaka.blogspot.jp/2012/10/blog-post_31.html
http://kururinosaka.blogspot.jp/2012/10/2.html
遠藤/配布物の確認をします。(略)
自己紹介してないですか?遠藤まめたです。よろしくお願いします。
今日のイベントはAIBOという団体から助成を受けています。
今日のグラウンドルール、決まり事です。
休憩もなくタイトなスケジュールです。休憩は自由に取って下さい。
お手洗いは、入り組んでいてややこしいですが、障害者用のもありますのでご利用ください。
個人的なことについて、今日の来場者の中で話したくないことは話させなくて構いません。
参加者の話はここだけの話として、個人情報を守って下さい。今日のゲストが話す内容などブログなどで情報交換もしたいとは思いますが、ここだけの話のことは流さないでください。
今日は多くの人が参加しています。異なる価値観の人もいるので、違いを尊重しながら交流して下さい。
今回、メディアの取材が入った場合には、撮影はフロアの皆さんを撮影しません。すべてこちらの舞台側だけですのでご安心ください。
以上、主催者挨拶です。
早速ですが、ゲスト皆さんから、それぞれの活動紹介を15分ずつ、スライドと共にしてもらいます。その後、トークセッション、質疑応答です。
質疑応答の時間は20分です。なので、質問も少ししかできないかもしれないので、最後のアンケートに書いてください。
これからはゲストの話をお伺いします。
1人目、石崎杏理さん。
福岡近郊で講演なども行っておられます。2010年から交流会も行なっています。
もし、LGBTなど、使っている言葉がわからない場合は、3枚目のイラスト付きのものをご参照くださるか質問用紙に記入ください。
石崎/こんにちは。よろしくお願いします。
私は「福岡でじわじわ」の話をします。
28歳、世田谷生まれ、五才から福岡。現在23年目です。
FRENS(Fukuoka Rainbow Educational NetworkS)のメンバーです。
好きな動物はかば。
好きな物は麺類で、特に神座が好きですが、福岡にはなく、大阪に来るのは楽しみです。先日も東京で神座に行きました。
教員をしています。
FRENS は子どものセクシュアルマイノリティをサポートする団体です。
情報発信と居場所作り、やっぱ愛ダホ!の活動をしています。
10月に福岡県久留米市でシンポジウムをしました。そのときのことが新聞にも掲載されました。
子どもや保護者にはカミングアウトしていませんでしたが、保護者が賛成していたので良かったです。
福岡での団体は、2008年に始めて福岡教育大で設立しました。
愛ダホ!の街頭アクションを開催しています。
今年はいつも開催している天神警固公園が工事で開催できなかった。
2010年からは講演もしています。
私のこれまでの活動の話をします。
発端は2007年冬です。
高校の時から福岡で一緒にやっていく人がいなかった。もやもやとくすぶっていた時期もあった。スライドの玉木宏は僕をイメージしたわけではなく、好きだからです。
そういう時期にぼくは4年で大学卒業ができなくて、5年行ってアルバイトをしました。
24歳で卒論のテーマをセクシュアルマイノリティーの支援にしました。言葉を豊かにする、というテーマでしたが、後に変えました。
大学の人権の講義を受講もしていました。
日本赤十字のサークルオブピアの活動をして、学生たちと繋がりました。性教育を行ったりという活動をしていました。
サークル活動の中で高校生に対して自分や性のはなしをしました。
大学の人権の講義で、卒論の相談によって先生と繋がりました。
サークルで人前で話したのがきっかけで、人権の先生にゲストスピーカーとして招かれました。
それが転機になりました。それ以来話す機会が増えました。
24歳夏、東京に行きました。これは遠藤まめたさんもかかわっていた、日米LGBTユース・エクスチェジ・プロジェクトに参加しました。
ワークショップに参加して色んな人と接することが出来ました。
福岡にセクシュアリティのミックスのバーはあっても、偏っているお客おらず、ゲイとレズ
ビアンはお互い嫌い合っているというイメージが福岡にはあった。
私はワークショップに参加し、福岡にもミックスのコミュニティーをつくりたいと思いました。
セクマイのことを学べる機会がほしいと思った。
福岡教育大でLGBTのサークルを作り、そのサークルを通じて外部ともつながっていきました。
一緒にやる仲間と出会いたいと思い、愛ダホ!を開催しました。
これがその後に繋がっていきました。
愛ダホ!は、九州の天神で開催しました。
福岡でやりたいという気持ちが強くなっていきました。
愛ダホ!の人に交流会をしませんか、と聞いたりした。
交流会をしたいメンバー6人で、福岡LGBT交流会にじだまりが2009年に開催されました。
色んなところ講演はしましたが、いずれも新聞や教員の口コミで他のエリアで研修することもありました。
教員になって2年目ですが、それが人と話せるようになったきっかけです。
教員になっても自分では変わらないように感じますが、周りから見ると、変わったようです。
2012年6月、hacoという福岡の、大阪のdistaのような場所のようなところで、慎二さんに出会いました。
教育に関して子どもをサポート出来るようなネットワークを作りたいなと思いました。
子どもや若者のサポートに焦点をあてています。
また、愛ダホ!をまたやりたいなという思いもありました。
発展することが難しいと思ったので、母体団体が必要だなと思ってました。
先日の10月に久留米市女性週間記念事業の企画としてシンポジウムをしました。
男女共同参画の女性の方に助けてもらいました。
福岡市と行政が一緒にするのは難しいだろうから、まず久留米で実績を作ればと言われてしました。
最近の活動は、にじだまりの認知度が高まり、10代の参加者や10代の子どもを持つ親の参加も増えてきた。
教育現場と連携した可能性が見えてきた。
教育委員会や生徒からのカミングアウトでの相談など。
福岡にLGBTの家族と友人の繋がりもできました。
市議会議員との連携もできました。
一緒にしたいという人も増えてきて、広がりそうです。
遠藤/愛ダホ!は全国20カ所くらい、街角でLGBTに関するメッセージを読んだりなどの展開をしている団体です。
続いて、ひろこさんの話です。
教育系IT会社に勤めながら、レズビアンであることをオープンにしています。
最近話題になったのは東京ディズニーリゾートで同性同士の結婚式が出来るかを問い合わせたことです。
ひろこ/こんにちは。よろしくお願いします。
私は両親が福岡出身で、横浜で生まれました。たこやきが大好きで、今回のイベントにもご縁を感じています。今は東京に住んでいます。
平日は教育系ITベンチャーで勤めています。
仕事以外では、セクシュアル・マイノリティの支援活動をしています。
同性パートナーの東さんとカップルとしても、個人としても発信をしています。
今日は小雪さんが話に何度か出てくると思いますが、いつも呼んでいる通り、小雪ちゃんと呼びますね。
自分が主に関わっている活動を紹介します。
セクシュアル・マイノリティも安心して企業で働けるように、企業向けに講演やコンサルティングを行っている虹色ダイバーシティのスタッフです。
小雪ちゃんが金沢の出身で、金沢市とその近郊に住むセクシュアル・マイノリティの交流会を定期的に開催しているレインボー金沢という団体にもスタッフとして関わっています。
今日、私がここに呼ばれたのは、東京ディズニーリゾートで同性カップルも結婚式ができるという公式見解を引き出したことについてだと思います。
スクリーンに小さい●(円)があります。
1%というのは、Twitterなどを使っているセクシュアル・マイノリティの数です。最新の数字ではセクシュアル・マイノリティは人口の5%とも言われていますが、仮に5人に1人が積極的にTwitterなどでセクシュアル・マイノリティ関連の情報を得ているとした場合の数字。
普段、TwitterやFacebookなどで発信しているとこの人たちに届く可能性があります。
次の黄色い●は15%。これは、日本のTwitterユーザーの割合です。だいたい6人に1人がTwitterを使っていると言われていて、ネット上で大きな話題になると、この層にリーチができると思っています。
最後が白い●。100%、日本の人口です。
ここに広げるためには、ネットだけでは難しく、新聞やテレビなどのメディアでも取り上げてもらうことが重要です。
ディズニー同性結婚式OKについての簡単な経緯をお話します。
今年3月23日に、シンデレラ城での新しいウェディングプランが発表されました。注目のニュースとして流れてきて、私も小雪ちゃんと話している中で、同性カップルもこのプランが利用できるのか疑問に思い、翌日、電話で問い合わせました。当初は「男女に見える格好ならOK」との返事でした。不思議に思って担当の方にいろいろな質問をしたら、一般のお客さまへの影響を心配されていました。電話の途中からはLGBTの活動をしているのでこの話をオープンにしてもいいですかとも聞きました。
担当の方も困ってしまった様子で、1週間お時間をくださいと言われ、アメリカのディズニー本社にも問い合わせてくれました。1週間後の正式回答では、男女に見える格好でなければダメという当初の回答から変わり、ウェディングドレス同士、タキシード同士でも利用可能というお返事をいただけました。
お手元の資料にもありますが、Twitterで発信したところ、発信から2時間以内に4000以上リツイートされ、ネット上で大きなニュースになりました。小雪ちゃんのブログからのツイートなども合わせると、もっと大きな数字となります。
この時点でネット上で話題になったので、先程の黄色い●の層にはだいぶ伝わったかなと思います。発信元は小雪ちゃんから、ということで統一しました。
この時のポイントは、主観を排除して、ニュースとして発信したことで、色々な層の人たちにリツイートされやすかったのだと思います。
同性カップル当事者が「ディズニーで結婚式ができて嬉しい」とつぶやくのではなく、事実だけを伝えるニュースとして発信しました。
これが4月の話です。
5月にもっと大きく広まったきっかけは、毎日新聞夕刊に掲載してもらったことです。
この記事掲載にいたるまでに、これまで性同一性障害や性分化疾患などの連載をしていた担当記者と2月に知り合いました。同性愛やLGBT全体のことなども取り上げたいが、なかなか切り口が見つからないとのことでした。今後はぜひ同性カップルについても取り上げてもらいたいとお願いをしました。
ディズニーの件で、インターネットで「ありがとう」を伝えようというキャンペーンを行い、サンキューメッセージを公募しました。130を超えるメッセージが集まり、せっかく届けるなら、直接届けに行こうということになりました。「ありがとうミッキー」と書いたプラカードを作って持っていき、1時間並んでミッキーと会って、ミッキーにサインをしてもらいました。
この写真は2人とも写りが悪いのですが、、ミッキーと写っているのはこれしかなかったので、この写真を使っていただきました。
インターネットで話題になった後に継続してアクションを起こして、サンキューメッセージをミッキーに届けに行ったことで、毎日新聞の記事につながりました。
このときの広がり方は想定外で、他の新聞、スポーツ紙、ラジオ、テレビ、ヤフーニュースなどにも取り上げられました。ロイター通信、AFP、APの3大通信社から海外にもニュースが配信されました。
セクシュアル・マイノリティのことを知らない人たちにどうやって知ってもらうか。マスメディアに取り上げられるためには、ネットで話題になることも重要です。ディズニーの件もネットで大きく話題になったことで新聞でも取り上げてもらえました。
ニュース作りのために、ソーシャルメディアで話題になりそうな企画を考えてみたりしています。
あと大切なのは写真です。今回はミッキーも一緒に写っていることでインパクトが大きかったのだと思います。
ソーシャルでのネタ作りでは、例えば、レインボー金沢のステッカーを作るときに、デザインコンテストを開催して、全国からデザインを募りました。アキさんという方のデザインを採用し、オリジナルステッカーを作ったというこの切り口で、北陸中日新聞に取り上げてもらいました。
私たちは、おもしろく取り上げてもらえそうなことをいつも考えています。
よくメディアの人とお話をするんですけど、取材の依頼がきたときには言葉遣いなどを中心に要望を伝えます。例えば私だったら「レズ」とは書かないでほしい。「レズビアン」とか「同性カップル」と書いてほしい、といった具合に。
基本的に新聞やテレビは情報が出る前に内容のチェックはさせてもらえないので、事前にこうしてほしいとリクエストした上で、実際に記事やニュースが出てから、担当記者さんに感謝と周りの反響を伝えます。いつも100%納得いくように取り上げてもらえるわけでもないので、「こういう表現は次回からやめてほしい」というようなことを正直に丁寧に伝えるようにして、メディアの方との関係作りをしています。
取材の依頼がきたときに、自分たちが普段発信していることや方向性と合わない場合にはお断りしています。
私たちはこのテーマを社会問題として真面目に扱ってほしいと思っています。
最後に、メディアの人もセクシュアル・マイノリティやLGBTのことを取り上げたいと思っている人が多いということをお伝えしておきます。『ゼクシィ・アネーロ』というゼクシィの大人版の結婚情報誌では、今年8月に出た号でゼクシィ史上初めて同性カップルが特集されました。最近編集長とお話する機会があって、「3年前くらいから同性カップルを取り上げたいと思っていたけれど、当時は編集部内で同性カップルを取り上げる雰囲気は全くなかった」とおっしゃっていました。
また今年10月にフジテレビの密着取材を受けたのですが、担当ディレクターによると、数年前から同性愛者のことを取り上げたかったが、やはり当時はNGだったと話していました。ディズニー同性結婚式OKのニュースを見て取材の連絡をくださいました。
今年は国内外の色々なニュースもあり、セクシュアル・マイノリティやLGBTのことを取り上げやすい環境になっていると思います。
今後もこちらから積極的にニュースを提供したいと思っています。
長くなりましたが、ありがとうございました。
遠藤/遅れて来た方もいると思うので、アナウンスを。
写真撮影は、記録用ですので公開はしません。
資料内に真っ白な紙があり、質問用紙です。
トークセッションのあと、質疑応答を予定しています。
トークセッション中にスタッフに提出をお願いします。
最後に、慎二さんからの活動の紹介をお願いしたいと思います。
NPO法人SHIPの代表です。
2002年から、活動を始めて、いろんなことをしています。
慎二さんよろしくお願いします。
慎二/こんにちは。
横浜から来た星野です。よろしくお願いします。
大阪は今年2回目です。とても好きです。
大阪の人は僕のタイプが多いからです。くだらなくてすみません。
SHIPの概要を説明します。今年からNPO法人になりました。設立は2002年12月です。
野外発展場のコンドーム配りから始まりました。
その後、ゲイバーのアウトリーチを始め。
2007年から神奈川レインボーセンターSHIPを開設しました。
大阪ではdistaのようなところです。
今年からNPOになりましたが、役員は私としらかば診療所の井戸田先生、宝塚大学の日高先生、県立高校の児玉先生など、4人の役員で構成しています。
SHIPはセクシュアルマイノリティの孤立している人をコミュニティに繋ぐ支援、あとは情報提供もしています。
健康支援として、カウンセリング、電話相談、エイズの検査などもしています。
みんなに届くネットワークづくりとして、学校講演やプレゼンスキャンペーンなどもしています。
神奈川県との協働事業の経緯を説明します。
平成18年に「かながわボランタリー活動推進基金21」申請しました。
この協働事業、NPOと行政の両者が力を合わせて成果が出るものに支援しましょうという制度です。
この補助金は最高年間1000万円です。
うちでは年間700万ほどもらって、コミュニティーセンターをオープンしました。
この制度の特徴はお金を出すだけでなく、行政も活動に一緒に参加します。
最初はエイズ担当の健康福祉局との協働でスタートしました。
当初の学校へのアプローチは保健福祉部を経由し、教育委員会の保健体育科、養護教諭へ資材を送っていました。
ですが、これがなかなか上手くいきませんでした。
協働事業は1年ごとに見直しがあるので、翌年のプレゼンの時には、今までの問題点を伝え教育委員会と協働でやりたいと伝えると、審査員に認められたました。
この審査員は、大学の先生や、新聞社などの有識者で構成させています。
そこで認められ、教育委員会との連携が21年度から始まりました。
これにより、教育委員から各学校長に直接周知して頂けるようになりました。
でも、21年度も学校には送るけど、末端の先生方には届かないと分かりました。
管理職のどこかで止まってしまう。
ゲイに対する嫌悪感が強いことと、セクシュアルマイノリティをタブー視する傾向があると分かってきました。
一番最初はゲイ対象でしたが、それだけでは進まないため、途中からセクシュアルマイノリティ全般に広めるようになりました。
最初は教職員向けの資材をつくりました。
それから21年度から生徒向けのポスター、22年度からDVDを作りました。
23年度からは教職員向けの研修、23年度途中からは生徒向けの研修も行えるようになりました。
教育委員会と一緒に話をして、分かったことは同性愛者やゲイといった直接的な言葉も学校の中で嫌うということです。
そこで、資材にはそういう表現を避けて、同性を好きな人や、性別に違和感のある人、というような表現を使いました。
このポスターは生徒向けに作ったものです。
(スライド参照)
相手が異性でも同性で愛には変わりがないというシンプルなものです。
すごいシンプルですけど、先生のうけは良かったです。
学校の職員室前の廊下などに貼って頂けるようになりました。
先生に身近に感じてもらうための工夫として、実際のセクマイ当事者の高校生に出演させて、DVDをつくりました。
先生に身近に感じてもらうために、高校生の声が1番だと思いました。
このきっかけは、平成22年の頃のある学校の保健委員の生徒がSHIPを見学に来て、感じたことを学校の文化祭や保健委員会で発表。それを聞いたPTAの人が来てPTA会報にSHIPのことを載せてくれたことがありました。
高校生の視点で伝えるということは影響力があると思い、それをヒントにDVDをつくりました。
当時、高校3年で顔出しOKの子がいたので偶然作れました。
そのDVDを教育委員会から配布していただきました。
このときは県立の学校は教育委員会から配り、市立、私立の高校には直接郵送しました。
これにより、メディア(新聞)が取り上げてくれました。これがそのときの記事です。
同性愛者、素顔の男子学生映像化、と書いてあります。
高校生が出るってすごい影響があるんだなと思いました。
それによって今までタブー視されてきたことが拭えたのだと感じます。
その他に、教職員向けの研修会。右側の記事は去年の8月にFTMの高校生と大学生が講演に行ったときの記事です。
写真は高校生は出ることが出来ないので大学生の写真が使われていますが、記事の見出しには「横須賀の高校生ら、」という表現になっています。
大学生より高校生の方がインパクトがあり、記事になりやすかったようです。
先生との関係作りは、カベができないように先生が困っているからお手伝いをしていという視点で接しています。
先生と顔の見える関係を作るということを心がけています。
外部の機関に紹介するのは難しいです。
全く知らないところでは事件に巻きこまれると、困るので。
先生との信頼関係を心がけています。
時間オーバーしていますが、次。
今後の課題は、県立高校にしか直接話をしなかった。
県立高校の管轄は県立高校だけです。
神奈川県には、市立高校や私立高校が70校ありますが、それらは県教育委員会とは全く別だということです。
また、中学はもっと複雑で、神奈川県内には中学校が450校ありますが、それぞれの市町村の教育委員会が管轄しています。
そのため、まずは教育事務所との連携づくりのため、県や政令市の教育委員会との連携をはかるために今年度から性的マイノリティ人権・教育委員会推進協議を定期的に行う事になりました。
村木/ありがとうございます。3人のお話、とても興味深かったです。
記者、先生、保護者など、ちゃんと顔を繋いで、信頼感を作るのがとてもよいと思いました。
遠藤/シンジさんの話を聞いて思い出しました。
神奈川県の高校には繋がりがありました。
今、話されたことは成功事例が多いですが、私の失敗話ですが、同じ助成金をもらい冊子を作り、中高に配ると反応が一件しか無かった。アプローチ方法で反応が変わってしまうなぁと。
自分の母校で、相手が同性でも異性でも対象は関係ありませんというポスターは、校内でやっと貼ってもらえました。
これからトークセッションです。
スタッフが質問シートを回収しますので、渡して下さい。
トークセッションの一つ目の質問です。
皆さん、様々工夫しているのだなと思いました。
知らない人にとってマスコミの使い方や、働きかけ方など。やらなくて失敗したこともあり、葛藤もあったことなど。
なんでこういう言葉を使ってはいけないのかな、という思いもあると思いますが。
杏理さんからでいいですか?
石崎/福岡ではコミュニティ内よりもコミュニティ外の人に助けてもらったことが多かったです。
駆け出しの頃は大学先生やサークルの人など、手当たり次第に話す。
この人になんで話さないといけないのかな?
や何か得るものはあるのかと思いつつ、自分には何もなかったので話し続けた。
実りのない話も多かったが、その中のいくつかで講演をもらったり、口コミで紹介をしてもらったり。
自分は話すことから始めました。
大学で黒人権利運動を勉強していたその先生から、マイノリティであるから、黒人の人権と重ねて見られていました。
「やるならマジョリティの分かる言葉で話しなさい」と言われました。
そう言われつつも、なんで分かる言葉で話さなければならないのかと疑問に思っていました。
最近では学校の先生独特のキーワードがあるのかなと。
いじめや発達障害に関することなど、絡めながら話してしていくのは大事で、理解しやすいのかと思います。
村木/わかります。私は企業に対して話しますが、その業界で使う言葉をちりばめると、反応が違うと感じています。
ひろこ/工夫していることの1つ目は言葉の使い分けです。
マスメディア向けには、わかりやすい言葉を使います。
コミュニティ内部からは丁寧じゃないとのお叱りの声もありますが、あえて使っている場合もあります。
最近は名古屋で虹色どまんなかパレードを歩いたときに、「彼女と安心して暮らしたい。」というわかりやすいメッセージのプラカードを掲げました。沿道の人から見ても、彼女と一緒に歩いていてこのメッセージははわかりやすかったのではないかなと思います。
私は会社でもオープンにしているので、「社会の中にセクシュアル・マイノリティがいて当然」というふうなスタンスで会社のメンバーと接しています。
新しいアルバイトスタッフが入ってきたときにも、特にカムアウトせずに、自然に「私の彼女がね、、」と話しかけたりしています。
会社でカミングアウトしていると、会社メンバーのつながりで、LGBTのイシューに関心がある知り合いがいてね、とお話をいただいたり、仕事の関係者からLGBT関連の取材が決まったこともあります。
村木/会社でカミングアウトするとしんどいこともありますが、ひろこさんの会社の場合はポジティブにとらえられていますよね。
ひろこ/私の会社では一つの個性として受け入れてくれています。
社員もリベラルな方が多いので。
慎二/今、言われたように、分かりやすい言葉。それはすごい。
難しいことを言っても分かってもらえない。
身近に感じてもらえないために、ご苦労かけています。
最近は講演会などで若い人を連れていきます。
僕が話しをするよりも、若い子が自由に話しすることのほうが、先生も身近に感じてもらえると思います。それだけで充分なんじゃないかな、と。
当事者と直接話す機会があれば身近に感じて貰える。
先生って若い子が好きなんですよね(笑)
若い子と直接話をしてもらった方が良いと思っています。
遠藤/自分は子どもの電話相談する人と繋がりが強いのですが、子どもの電話相談の人は基本的に子どもが大好き。
研修にも若い人が来ると、始まる前から良い会だなー、と思ってもらえます。
子どもが好きという共通点だけで、クリア出来る壁もあるのかな、と思います。
もう1つ質問いけるかな?
今後特に繋がっていきたい人や、繋がっていく中で自分の活動をどのように展開していくか、とかセクシュアルマイノリティに限らず、何かあれば。
石崎/ダイレクトに子ども、若者とつながっていきたいです。
でも、声を届けるのが困難でした。
繋がっていきたいけど、そのためには学校関係者と繋がっていかなければならない。
福岡市の学校の先生は、とてもセクシュアルマイノリティに嫌悪感を持っている。
気軽にネタにして、子どもから笑いを取る人もいます。
去年の福岡市の人権の研修会のネタでホモネタが出されて、200人くらい参加している中で、笑いになるということもありました。
学校の先生の研修をもっとしてほしい。
教育委員会にもっと働きかけてほしいと思う。
村木/セクシュアル・マイノリティの話をするのに、都市部よりも福岡などの方がしんどいと聞きますが、その点はどうですか?
石崎/福岡はわりとリベラルなのかもしれません。わりと。
九州男児のような固定観念も広くはないです。
ただやりやすくなる気はするし、私もトランスジェンダーだけど、カミングアウトすることによってヤバイことにはなってないですね。
村木/一番味方になってくれているのは?
石崎/僕は4年生の担任ですが、同じ学年の先生に人権の頭の先輩がいたり、隣のクラスの先輩が去年からとても良くしてくれています。よく話を聞いてくれます。
去年は学校で出される人権教育の話をしても、きいてくれませんでしたが、今年は聞いてくれる先輩がいるので言えるようになりました。
村木/職場の先輩が聞いてくれるのは安心しますね。
ひろこ/個人として発信する場合に、セクシュアル・マイノリティを知らない人にいかに知ってもらうか、がテーマ。日本では宗教的な理由などによる強いフォビアというより、なんとなくの偏見とか、実際にセクシュアル・マイノリティの人に会ったことがないから「怖い、気持ち悪い」という印象を抱いてしまっている人が多いと思う。そういう人たちは正しい知識や情報がないだけで、知識をつけたりセクシュアル・マイノリティに出会ったりすることで、偏見がなくなって支援者になってくれるかもしれない。
今セクシュアル・マイノリティやLGBTのことを知らない人に、メディアを使って発信していきたい。私は同性パートナーと生きる人で、個人的には同性カップルを守る法的な保障もほしいと思っています。
村木/私はひろこさんの話し方がとても好きです。上からでもなく、下からでもなく、横からのスタンスがすごく聞きやすいのだと思います。
セクシュアル・マイノリティって、LGBTとかセクシュアリティとか、多くの人が普段使わない言葉が色々出てきますよね。知らない言葉を覚えてもらう必要がある。
大きい会社の優秀な方だと特にかもしれませんが、「知らない」ということを強調すると、気を悪くされる方がいます。知らない事を責めるようなニュアンスにならず、でも、知ってほしいんです、と、その投げ方が重要なのかなと思いました。
星野/私が今感じたことは、当事者だけだとなかなか輪を広めるのには限界があるので、ヘテロセクシュアルの人に関心を持ってもらってネットワークを広げたいと思っています。
この前、僕と同じぐらいの夫婦がセクシュアルマイノリティの活動に興味があるとのことできました。
セクシュアルマイノリティの方ではないですが。SHIPのパンフレットを母校に持って行きたいと。
そこからヘテロセクシュアルの人に自主的に動いてもらうことも必要だと思います。
村木/すごく大事なポイントですね。
多くのヘテロセクシュアルの人にとってはLGBTは他人事ですよね。
理解してもらうのは大変なエネルギーが必要だと思うんですけど、何か気を付けていることはありますか?
星野/この前一回あった時ですが、学校の反応が検討ということで止まってしまった。
持ってった本人は、それで終わってしまったことでショックだったと思います。
そこからモチベーションを高めるようにやっていかないといけないですが、そこにまだ繋がっていないです。
村木/ヘテロセクシュアルの人にどう動いてもらうかが重要ですね。
他のお2人は工夫していることはありますか?
ひろこ/支援者の方についてはいかに共感してもらえるかがポイント。個人的な具体的な困りごとなどを話して、身近な存在に感じてもらえるようにしています。そこから始めて、次のステップとしてこちらが望む支援の方法を具体的にお話ししています。
村木/個人的・具体的な話を開示するということですね。
それが何かその人の心に残ることはありますよね。
日本で生活したら似たようなところで、具体的には、「ごはんを食べる、寝る」など。
LGBTも他人じゃないんだ、ということに繋がるのかなと思います。
遠藤/2種類の感情があると思います。
一つの社会問題に対して、自分があまり困ってない人であれば、興味がないか、・・・
自分は大変な時期があった。
自分はトランスジェンダーで学校の制服が着られない時期もあった。
授業でホモネタなどが出ると自分のことだから慣れてても、友達も対応に困っていて、お互いに落ち込んだ。
他人事だとしても気が付いている人もいるので、それをどうするかがポイントだと思う。
石崎/うちのFRENSの団体にもセクシュアル・マイノリティではないメンバーもいる。
シンポジウムで司会もしてくれました。
先生達は子どもが大好きという話が出ていましたが、僕が28歳にしては若い見た目なので、これを活かすと学生に話をすれば同年代が話してくれていると思うし、先生に話しをすれば、若い子が話しているんだという気持ちにさせたりして、コンプレックスだった見た目が講演では逆に活きたのかなと。
難しすぎることはしんどいので、チラシを一緒に配りませんか、とか、講演を一緒にしませんかなど一緒にしてきました。
村木/福岡の繁華街でLGBTとして顔を出してスピーチなどをすることは当事者にとっては、ハードルが高いかなと思いますが、アライの人ならビラも平気ということですかね?
石崎/活動をするに辺り、福岡でずっと育っているので、いつ知り合いに会うかという状況でした。
大学以前の友人にはカミングアウトしてなかったので、そこでするには今までの人間関係をなくすかもとの決意で始めました。
大学で立ち上げたサークルでも、新入生歓迎の時に500枚くらいのチラシも配っています。サークルにもアライの人もいて、混ざっているからできることもあります。
愛ダホ!でも堂々と活動的にしたいと思っていて、見た感じでコソコソやるような活動とは思われないようにしてきました。
村木/今の話でポジティブがキーワードかと思いました。
しんどいこともあるけど、ポジティブなことで入ってくる人も多いのかなと。
石崎/街頭できちんとしたことを伝えるのは難しいと認識していた。
だから、LGBTのイメージを変えることを目標にしました。
天神警固公園でなければいけない。
ここは通過もするが、待ち合わせでのどかに座っている人もいる場所なのです。
セクマイの人がこんなに堂々とするの?とイメージを変えたくて、わざわざそこでしていました。
遠藤/残りトークセッションは10分ほどです。
最後に1つ質問があります。
何かを始めたいと思ってる人へのアドバイスと続けていく上でのコツを簡単に一言ずつ。
慎二/続けるのは大変なことです。
途中でくじけそうになることもあります。
続けないと成果も出てこないのはありますし。
続けるためには、自分が楽しくすることです。
自分のメリットになることをやってる。
人の為にやってあげてるというスタンスだと続かないと思っています。
ひろこ/何かを始めたい人について。アクションを小さなことと思わないで、できることから積極的に始めてほしい。ディズニーの件は、偶然も重なって大きなニュースにな りました。そのきっかけは1本の電話だったんです。
電話というのもハードルが高いかもしれませんが、匿名での電話でもいいんです。
例えば、情報をTwitterで拡散するとかでも、まずは小さなことからでいいと思います。
続けるコツは、自分を大切にすること。自分を大切にできないと、周りの人を傷つけてしまうこともあるし、まずは自分を大切にしてほしいと思います。それから、きついと思ったら無理をせずに休んでください。私も仕事をしながらの活動なので、無理をしすぎないように、マイペースを心がけています。
村木/自分を大切に、自分が楽しむというのは、本当にそのとおりだと思います。
続けることや、始めることは、自分が楽しく元気にやっていると、周りの人もついていきやすいのだと思います。
そしてまた理解が深まるという良いサイクルになるのだと思います。
楽しさを見せるためにはしっかり休まなきゃ。
石崎/1年目の愛ダホ!をする際、スタッフがついていけなくなったことがあった。
交流会をやるときにもっとも大切にしたことは省エネでやるということです。
1年ごとにやるためには、コツコツとします。
2月で3年になるんですけど、始めるときは3年はやりたいと思っていたので普段から省エネでやろうとしています。
また、ストレスを感じるような、にじだまりだった日は、一緒にご飯食べ行って解散するとかしています。
スタッフ間で大切にしていることを共有しあっています。
村木/それもすごく共感します。
今まで、一生懸命にやりすぎて、途中で起きられなくなってしまうくらい、しんどくなることが何回かありました。
特に省エネをするのが難しいなと思ったのが、最初にコミュニティに入った人で、何かやってみたい、と熱烈に思っている人たちが来たときに、リズムをどう保っていくか。
その人のヤル気を尊重しつつ、バーンアウトしないようにやっていく必要がある。
何かそういう苦労はありますか?
私の工夫で言うと、お互いに相談し合っていると、しんどくなってくるので、外部リソースを使っています。
外部リソースというのは行政がやっているカウンセリングや相談窓口などです。
友達の友達つながりなど、薄いつながりも尊重していく。自分たちだけでやらないようにしてます。
遠藤/自分も電話相談はヘビーユーザーです。それに関連しているかわかりませんが。
質問がマニアックになってる気がする(笑)
村木/マニアックな質問ですみません。
学校では若い人に声を届けたい。でもそのときに超えなきゃいけない壁がある。
慎二さんの話で、学校の上層部のどこかでつまってしまうというのがありましたが、保護者の人の反応を気にして、教職員の人は止めると思うんですよね。
保護者の人のことで注意していることはありますか?
慎二/最初は気にしていましたが、最近は気にならなくなりました。
村木/最近保護者の方って変わりました?
星野/直接はありませんが、先生の反応はすごく変わって来ました。
学校の講演、教職員向けの研修の記事が載ってから、他の学校の講演が増えました。
今まで学校でセクマイを取り上げることはタブー視されていたようですが、新聞に取り上げられることによって「良いんだ」という意識にかわってきた。
今年の夏は、全国養護教諭サークル全国大会が神奈川県で開催されましたが、その中でセクシュアル・マイノリティの講座を設けて頂けました。
村木/行政は縦割りの横並び意識が強いと思っているんですが横浜はスゴいですね。
横の繋がりがあると思うんですけど、横浜ってあまりそういうのは気にしてないですか?
星野/県内の県立高校に関してはいろいろやってくれるようになりました。
県教育委員会も注目していますね。
石崎/慎二さんみたいにやっていないので、思えないですが・・・。
子どもにカミングアウトするつもりは無かったんですけど、担任になって、カミングアウトしようと悩み始めた時に、校長に相談しました。
校長はあなたがしたいならしたら良いと。
1070人くらい子どもがいるので、いろんな保護者もいます。
そのときは、「あなたは間違っていないから説明するし、表に立つよ」と行ってくれました。結構驚きましたね。
来月の12月にカミングアウトする予定です。
2年連続で新聞にも載ったので、僕のことを知ってる子どももいます。
同じ学年の主任に相談したら、友達関係は持っているので、他のクラスにも話したらいいと言っていました。
人権教育の一貫として、先生達は捉えていない。
「チクチク言葉」といって、心にチクチクささってくる言葉を福岡では使っています。
例えば死ね、とかキモいとか。
言われてイヤな言葉を「チクチク言葉」と言って子どもに指導しています。
村木/聞きたいことが沢山で、マイクの奪い合いになっていますね。
学校の先生や行政の担当者や会社の人は3年くらいで異動しちゃいますよね。
また1からかというように。
星野/2、3年で変わってしまい、その度に、説明が必要になり苦労しています。
教育委員会との協働事業が終わり、今年担当者も代わりました。
今年の担当者は学校長をやっていた方で理解があり、こちらから頼まなくても自主的に動いてくれてます。
担当者によってぜんぜん違うんだなと。
村木/引き継ぎはないのですかねぇ。
星野/引継ぎしてほしいですよね。
ひろこ/石川県の人権担当者もコンタクトをしてすぐに異動になってしまい、あまり引き継ぎもなかったようです。
行政もセクシュアル・マイノリティのことはプラスアルファでしか動こうとしてくれないので、よほどサポーティブな担当者でない限り、同じ状況かなと。企業でも熱心な担当者の異動とともに、講演会などの企画が消えてしまうということもよくあります。
星野/ひきつぎはしてくれなくても、具体的な話は残っていきます。
どれくらい配った、何をしたなどの実績は残る。
前年度は、こんなことをしたと伝えれば、多少は動いてくれると思います。
遠藤/僕も固い組織で働いています。
柔らかい部分の人とのつながりなどはなかなか引き継がれないと思います。
でも、去年の実績や前例は残る。
そういうものには、引き続きしようかなということはあると思います。
なので、形に残す工夫をしたほうがいいかなと。
ひろこ/今の流れで言うと、私はメディア掲載記事をなるべく持っていくようにしています。とくにお堅い行政相手では、活動が掲載された新聞記事や、NHKに出演していますというような情報が有効だと思っています。
遠藤/時間が押しましたが、質疑応答に移ります。
一つ目、セクシュアル・マイノリティとかLGBTの言葉の使い方の質問です。
「LGBT」「わたし」「あなた」など活動の場面で意識して話すことがあると思います。
クラスで同性同士で付き合ってることもあるけど、まわりは、2人はつきあってるという認識でセクシュアル・マイノリティとは認識していない。
言葉に対して緩やかな人もいるのかなとか。
大雑把に言うと多様性というか、その人の性に向き合うというか。
例えば、活動の中で言葉の使い方について。
あえて「レズビアン」「ゲイ」と使うことや、メディアでの扱われ方についてなど、気にしていることはありますか?
ひろこ/自分のセクシュアリティを語るときは、「レズビアン」という言葉を使うか、「女性のパートナーがいます」などと説明をします。
取材の中でセクシュアル・マイノリティについて語るときには、難しいと感じることが多いです。私は「セクシュアル・マイノリティ」と「LGBT」をよく使います。個人的には、セクシュアル・マイノリティの「マイノリティ」の部分にプライドを持ちにくいのですが、LGBTを使うとそこから排除されていると感じて心を痛める人や友人が多くいることも知っているので、いつも迷います。用語については、試行錯誤しています。
今回、実験的にイベント用のプロフィールには、「LGBT+」と、「プラス(+)」というのを追加してみました。LGBTといっても、L/G/B/Tだけでなくもっと多様なセクシュアリティがあるので、それを「プラス(+)」で表現してみました。これは元々、レインボー金沢スタッフ間のディスカッションの中で出てきたアイデアです。「Google+」のようなポジティブな使い方もあるので参考にしました。インターネットで「LGBT+」で検索したところ、海外ではいくつか使用例もあるようでした。
村木/気付きませんでした(笑)。プラスってふりがなをふると、あえてかな?という感じもします。
虹色ダイバーシティではLGBTという言葉を使っています。海外に支社がある企業等は、LGBT施策が進んでいて、そのほうが今は通りがよいからです。
実はLGBTという言葉を使う度、友達のLGBT以外の人の顔が浮かんで、心が痛みます。その痛みを忘れないようにしたい。
時間がある限り、その他のセクシュアリティの話を説明するようにしています。
石崎/言葉の話なんですけどFRENSという言葉は福岡レインボー・エデュケーショナル・ネットワークという意味です。
LGBTとかセクシュアル・マイノリティという言葉を入れない名前にしました。
にじだまりでは入れていましたが。講演をするときには、いつもここには当事者がいるということを忘れないようにしています。
自分がトランスジェンダーだけど、自分が男だとは思ってないけど、それを説明するのはみなさんを迷路?に巻きこんでしまう感じがして、あえて誤解されると分かっているけど、僕は女性の身体で男性教員として働いています。
濁すような感じで発信をしています。
遠藤/次の質問です。
学校以外で情報を得る機会や場について、事例はありますか?
さっきもありましたが、もうちょっと掘り下げてお聞きしたい。
大人に向けたメッセージがあるかどうかもお願いします。
星野/今教育委員会との連携の他に、行政の人権課とも連携しています。
横須賀市と連携しています。
このきっかけは昨年フジノ議員が取り上げてくれた。
今年度の人権のテーマが「セクマイ」と「外国人」。
一般市民向けの講座が今年度2回ありました。
村木/他の自治体でその中の特集の1つでセクマイが入るって他の自治体では聞いたことがありませんが、蓄積があったのでしょうか?
星野/ツイッターでフジノ議員に働きかけてます。
全国の人がフジノ議員の発言をリツイートしてくれることで、フジノ議員もいろいろとセクマイのことで動いてくれてます。
村木/議員さんをモチベートするってことですね。
遠藤/サポートについても、福祉なども関連しているのかなと思います。
ひろこ/レインボー金沢は昨年立ち上げたばかりなので、とても参考になります。
村木/教育現場以外ではどうでしょう。
人権の話も、教育現場ではまじめに聞いてくれる人がいっぱいいる。
一般社会に広げると、フックが少ないかと思うのですが。
石崎/一般には、昨年度は福岡の人権センターが主催している市民講座で話しました。
そのときは自分が性の多様性の幸せ、それはどんな人にとっても良い、という決着点に持って行こうとがんばりました。
しかし、高齢の方は困惑されているという難しさがありました。
遠藤/最後に一つ。
色々活動していく中で、意見が違ったり、特に自分の場合、東京で活動したときは、自分だけトランスジェンダーで、周りはみんなゲイだったとき。
ゼロから説明しないといけない、と大変だったのですが、
地域や学校で活動する中で、自分の考えを外にだけでなく仲間に対して言うときにそこが一番エネルギーを使うのかな?と思うこともあるのですが。
グループの中での対立についてどう考えていますか?
石崎/大切にしていることは、「誰もイヤな思いをしない場」にしたいということ。
そのために考えたいというのがある。
そこに帰るときに意見が割れたりすることはある。
あとは、意見が分かれたときに、メリット、デメリットを考える。
それぞれのデメリットを補えるような形にしています。
多数決で決めない。
全員が納得出来るまで話し合う。
ひろこ/みんな熱い思いを持って活動しているので、やり方や意見が合わないことももちろんあります。大切にしている価値観が異なって困ることもありますが、自分がまずどうしたいか、どう思っているかを相手に伝えること、最初から喧嘩しないことを心がけています。
パートナーの小雪ちゃんが最近よく言っていることで、やり方が違う人も同じ山を登っている人なんだから、挨拶をしましょう、というのがあります。どうしても方向性が違うときには、そのときは静かに離れます。
不必要な喧嘩はしないようにしていて、無理して一緒にいるのではなく、お互い尊重し合いながらやっていければと思います。
星野/やってることは大きく見えますが、中の組織はめちゃくちゃです。
全員まとまって話すことはほとんどありません。
少人数で話をして、そこで決めてしまう。全体だと全然まとまらなくて。
特に資材を作るときは担当者を決めて、その人に任せるようにしています。
それでまとまらない場合には、外部に頼みます。
まめたさんにも頼んだことがありました。
遠藤/残念ながら時間になりました。
最後に感想シートの記入と、回収をしたいので、スタッフに渡して下さい。
村木/本日は、素晴らしいお話をありがとうございました。
大きな拍手をお願いします。
(拍手)
以上